鳴り止まない拍手

とても大寒波です。

昨夜のニュースを見ていたら39年ぶりに沖縄で雪が降ったそうで、モニターの向こうではしゃぐ子供たちを見てほっこり、
そして今朝方同僚から「現地のおじいちゃんが喜んでいたみたいだよ」と聞いてまたほっこり。
しかしながら数年前に沖縄をバイクでぐるぐる走り回った時に加熱したテンションに身を任せて肌を露出していたらその肌も加熱した経験から「沖縄は暑い」というイメージだったので、
衝撃のあまり唐揚げがぽろりと落ちました。箸から。

ご無沙汰しております、子供の頃はにこにこぷんが大好き、新年早々に唐揚げだけじゃなく何だか色々なものが零れ落ちている気がするぽろり吉田です。

さる先日の1/23(土)、同僚に誘われて「沖仁, 渡辺香津美 : エン・ビーボ!〜狂熱のライブ〜」に行ってまいりました!
なんでも同僚がヨルタモリに出演されていたフラメンコギタリストを目撃してライブに行こうと決めたそうで、
「フラメンコ=マスク・オブ・ゾロ」が直結した僕は「行きます(振り向きながら)」即答。

そう、フラメンコといえば情熱の国の音楽(←個人的感想)。
ハンドクラップ(大好き)にあわせて熱くかき鳴らされるギターの音色、迸る熱いパトス、色鮮やかな石畳、漆喰の壁、広がる荒野、エキゾチックな街並みの中、私は馬に乗って颯爽と表れたい(遠くを見つめながら)

薔薇をくわえたい所です。
そんな妄想猛々しい30過ぎのおじさんはフラメンコギターは映画のワンシーンに流れる情熱的な音、という認識でしかなかったので、
どんなライブなんだろうと期待に胸を膨らませて当日を迎えたわけです。

会場は桜木町にあります「県立音楽堂」。初めての来訪です。
夕方17:00開園だったので少し早めに横浜へ到着、お昼を済ませてぶらり買い物をしつつ会場へ。
16:30から中に入れるようで、到着した時には長い列が会場へ吸い込まれている所でした。

会場の様子です。
会場の様子です。

指定席に収まり、開園を待ちます。ステージにはセット。見渡すと年配のお客さんもちらほら。
(情熱のギターは幅広い年齢の方の心をキャッチするのか・・・!)
と年甲斐も無くそわそわしていると照明がゆっくりと落ちていきました。ついに開園のようです。

・・・とても素晴らしいライブでした。

渡辺香津美さんと沖仁さんのかけあいが面白く、音と音のかけあいが素晴らしく、演奏の最中にお互いに敬意を表する仕草がとても紳士的で、
思い描いていたフラメンコのイメージよりももっと激しく、時に柔らかく、情緒的な旋律に気がつけばまったく心を奪われてしまい、
無意識にリズムをとってしまう、体が動かずにはいられない、そんな衝動ともいえる感覚に身を委ねながら
最後の手前の激しい曲が終わった瞬間に起こる大歓声の中、涙が出ていました。

そして最後の曲が終わり、鳴り止まない拍手がアンコールをはやすリズムに変わって。
照明があがり、お2人が出てきた瞬間の歓声は大きく。
立ちながらの演奏が終わると、一際大きい拍手の中、次々と立ち上がる観客。
スタンディング・オベーションです。
会場がまるでひとつになったような感覚。
とても素晴らしかった。

指使いもさることながら、お2人の奏でる旋律は感情を激しく揺さぶり、
「音楽ってとてもいい」と心から感じずにはいられませんでした。
フラメンコというジャンルの音を間近で感じたのは初めてで、
民族系の音楽にどうしても心惹かれる自分の感性を改めて認識するとともに
ただただ純粋に「来て良かった」と思える時間でした。

今もまだあの瞬間の音が忘れられません。
耳の奥で鳴り止まない拍手に、暫らくは身を委ねてしまいそうです。

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