遥かなる佐世保 2日目 その④

PM4:22

 

気が付けば7月。驚愕・・・!

そう、あろうことか佐世保に行ってからもうすぐ1年が経とうとしている。

地図も宿も何も考えず突撃した大人気ない旅行から早1年・・・とんでもない速さである。30代も折り返し、そりゃ腰も痛くなるというものだ。

しかしながら旅行の記事を書くだけだというのに一向に佐世保に着かないが大丈夫か?(大丈夫だ、問題なry)

急ぎ続きを綴っていくことにする。

 

 

尾道 21

 

 

さて、千光寺からぶらぶら山道、そして2度目の猫の細道を降りてきたら夕方になってしまった。2日目も終盤、いやはやまったく予定通りだ(手が震えている)

佐世保は遠いな・・・

いや、そんなことより見てほしい、この瀬戸内の海を。

穏やかな波が運ぶ海風は柔らかく、陰りだした陽に照らされた波がゆっくりと色づいていく。素直に美しい。これぞまさしく港町の日暮れ・・・良い時間だ。心が穏やかになる。

小豆島でも感じた、この時間がゆっくり流れるような雰囲気。

このまま浸っていたい、そんな思いがついぞ溢れる。

 

 

本日の予定では佐世保市街にて宿泊である。そして3日目は佐世保を満喫・・・だが尾道の時点で既に夕方。あかん。

できる事ならせめて九州にINしたい。区切りの良い所で本州から離れたいのだが・・・

ツーリングをしているとつい寄り道をしてしまう。そして当初の行程から大幅にズレてしまうのも往々にしてあるのだ。

たとえ早朝に出発しようとも目的地にたどり着くまでが長く、結局のところ景色の見えない夜間に泣く泣く帰宅するというつじつま合わせを余儀なくされるのである。

 

地図を見てみる。

九州まで300km・・・普通に考えて5時間か。とすると九州に入るころには22時過ぎ。

店が閉まる・・・(震え声)

アイシー。了解した。難しそうであれば仕方がない。何、まだ日にちはある。佐世保に行けなくとも最悪、博多でもつ鍋でも我慢しようではないか(涎を拭きつつ)

しかし佐世保は遠いな。約500kmとかマジ洒落になら・・・あれっ?初日に大阪まで走った距離超えてね?(防波堤に腰を下ろしながら)

 

 

 

 

 

夕暮れの少し涼しげな風が心地よい。耳を澄ますとかすかに聞こえてくる、渡船の低い汽笛。パラパラと風にめくれる地図。

ああ、心地よい音だ。体に確かに流れる四国の血が欲している。この汽笛を・・・!

 

 

さて、そろそろ現実を受け止める時間だ。

 

 

①もうあかん。無理や。足も尻も限界や。尾道で宿泊して明日、早朝オリンピック開催やで。

②九州あかんやろ。高望みしたら痛い目みるで先輩。せめて広島あたりで一つどないやねん。今夜は粉もんで一杯や。

③ぶれちゃ駄目だ、ぶれちゃ駄目だ、ぶれちゃ駄目だ、ぶれちゃ駄目だ、ぶれちゃ駄目だ、ぶれちゃ駄(小刻みに震える

 

 

 

 

尾道ー小倉 01

 

 

高速に乗った(棒読み)

そう、今回の目的は佐世保。決して妥協ではない。ぶれてはならん。

そのためには行けるところまで行かなければ、明日1日しかない貴重な滞在時間が物凄く短くなってしまうのだ。

日程は伸ばせない。それだけは避けたい。つまりは西へ突進あるのみなのである。

 

尾道を出発して早々に高速に乗り、わき目も振らず西へ向かった。1時間半を目安に休憩をはさみ、文字通りひた走る。

進む先が刻々と暗くなっていく。ほんのり肌寒さも感じてきた。高速は山間だ、夏とはいえ夜は冷え込む。ライダースの前を閉めてひた走る。

とにかく走り、山口南辺りで19:40分。今日の残りが4時間20分。もちろん、宿はまだとっていない。ふふ、まったく今日もこの流れか。盛り上がってまいりました(滑舌が悪くなる)

 

オーケー、佐世保泊はあきらめよう。潔さも大事だ。

しかしどうだ。九州は目の前。目標通り、関門海峡を越えて北九州までは行けそうな気がしてきたんじゃないの?

これは博多もつ鍋食べれるっちゃん!

 

 

 

と興奮してうきうき宿探したら博多全滅。白目。お盆ですもんね。そりゃ皆も博多大好きだよね。

もつ鍋はチリと消えた。刻々と迫るタイムリミット。もうサービスエリアで食うかくそっ、いったい今日は何を食べればいいんだ。

すっかり暗くなったベンチで楽天ト●ベルを今日もスイープ、ああ俺は何やってんだ、なんだか楽しくなってきた。

それにしても宿がない。時々あっても高級な所が少々・・・・・・・・・・・・悩む。こうなると金ではない。野宿よりマシか?

いやまて、早まってはいけない。良く考えるんだ。その金額で飲めるということを←

 

仕方がない。目的地は九州。とにかく九州に入れるなら少し遠くても決めてしまおう。

なに、移動はバイクだ、4、50km離れてもツーリングの内であろう(←だんだん距離感が麻痺してきた)

そう思いつつ宿を見ていると、「小倉」の文字が目に入る。宿も幸いまだいくつかあるようだ。小倉か。金額も安い。

話に聞く北九州の街・・・どんな街かはわからないが、時間も遅い、最早ここしかあるまい。

 

 

小倉 00

 

 

ついた。

時刻は21時54分。予定通りだ。ってか店閉まっちゃうんじゃね?

 

 

なんとかホテルは見つけたものの、駐車場を見ると満車の様子。もう空いてるところでいいか待て待て、これどこに停めれば良いの?

とりあえず歩道に置いてフロントで聞いてみると、どうやら近くに市営の駐輪場があるらしい。バイクはそこに停めて下さいとのこと。

そしてもうすぐ閉まるらしい。おいおい、ヤバくね?

急いで教えてもらった場所に向かうとすぐに見つかった。

 

小倉 001

 

電気がついている。

どうにかギリギリセーフのようだ。とりあえずバイクを入口にねじ込む。

管理のおじさんに場所やら停め方やら教えてもらってバイクを停め、荷物を下ろすとようやく一息つけた気がした。

 

小倉 002

 

今日で2日目。神奈川からなんとか小倉まで来たぞ。

しかしスマホって凄いね。電話はもちろん、買い物もナビも宿泊予約もこれ1つ。翻訳もできる。恐ろしい世の中になってしまった。

熱を持った愛車が静かにキンキンと音を奏でている。オイル漏れもなく、本当に良く走ってくれる。

お疲れさんタイガー。

大阪からここまで良く走ったな。無茶ばっかさせてすまん。しばしゆっくり休んでくれ。

 

 

小倉 04

 

チェックインを済ませて部屋へ・・・ってこれは・・・!

金額は昨日の大阪と同じくらいでこれか。やるな小倉。コンフォートだ。

思わずテンションが上がりベッドへダイブ。あー疲れた!走った!尻が割れそうだ。

うん?この弾力はシモンズ製・・・なるほどなるほど。肌触りも申し分無い。シーツもスベスベだ。

ベッドにマイクやらラジオやらなんか色々ついてるな。アメニティも充実している。空気清浄器まである。

フロントではお茶が飲み放題だったな。こんな全身真っ黒ライダースジャケット+フルフェイス野郎にも丁寧な対応をしていただいた。

素晴らしい、これがホスピタリティってやつか・・・旅はいいな・・・

 

 

 

 

 

とかやってる場合じゃなかった。時間なかった。早急に夕飯を探しに行かなければコンビニ弁当になってまう。

 

 

 

 

小倉 03

 

身支度を整えてすぐに駅前に向かった。ホテルが駅近くで利便性も抜群だ。

しかし小倉駅前は想像以上に開けた場所だった。駅は広いわビルは高いわで新横浜かと思った。かなり近代的な印象である。

こんな時間にも待ち合わせなのか、若者が多く駅前にいる。本当に横浜みたいだと思った。

お店も多く、ちょっとブラブラ見て回りたかったがなんせ時刻は10時過ぎである。もう無理。カラータイマーは点滅を始めている。店に入らなければ。

という思いでうろうろしてると雰囲気よさそうなお店を発見。

京円打ちっ「居酒屋 笑馬」さん。ああこれだ。直観がビンビン告げている。香ってくる。間違いない。入るぞ。

 

 

地下へ降りていくと、照度の落とされた木造でかなり好みな雰囲気が広がっていた。

カウンターーが横に伸び、奥には座敷もあるようだ。席は多くのお客さんでにぎわっている。

ううん、間違いない。これは良い店・・・!

上がりぶちから木続きで、土足禁止だとは知らずちょっと入ってしまった。すみません・・・

 

 

 

小倉 01

 

 

そして馬刺し、刺盛りである。あかん、もう毎晩これになりそうだ。今宵も痛風一直線である。

しかし考えてみてほしい。

九州といえば馬刺しは外せまい。さらには地の物、そして地酒を食してこそツーリングが完成すると言っても過言ではないのだ(ジョッキを勢いよく傾ける)

この馬刺しがまたとろけるほどに旨い。

魚も身がしまり、脂が載っている。かみしめるほどに口に広がる旨みが酒と共に体に染み渡る・・・なんだ最高か。(お代わりを注文)

 

 

小倉 02

 

こちらは手羽先である。これも旨い・・・!

サクサクの衣に包まれた肉の旨みが甘辛いソースと絡んで止まらない。また来たいこの店、そう思える味と接客であった。

しかしながら入ったのが10時過ぎ。長居はできない。いつの時代も幸せな時間はあっと言う間に過ぎていくものである。

帰りに小倉泊まれたら必ずまた来ようと心に決めて、ホテルへの道をたどった。

 

 

続く

 

 

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