【中編】東京都の看板デザインの特色と傾向を調査!注意したいルールも解説

前回は、東京都の屋外広告物条例、そして世田谷エリアに絞った看板デザインの傾向をご紹介しました。

一言で「東京」と言っても、華やかな街もあれば落ち着いた街もあります。その街の雰囲気に合った看板を設置することも、集客においては重要です。周辺環境に馴染むオシャレな看板は、店舗の印象も街の印象も良くしてくれますよ!

今回は、引き続き東京都の看板デザインについて調査し、まとめていきたいと思います。

エリアごとに異なる看板ルールや特色にも注目していきましょう。

歴史ある看板建築が特徴的!千代田区の看板ルールやデザインの傾向を調査

国会議事堂の写真

東京23区のほぼ中心に位置する千代田区は、皇居や国会議事堂、内閣総理大臣官邸などがあり、日本の首都機能が集結したエリアです。千代田という地名の由来は、江戸城の別名が千代田城だったからと言われています。新設マンションの増加もあり、人口は約6.9万人と増加傾向にあります。

ここでは、そんな千代田区の看板ルールやデザインの傾向、看板に求められる要素を検証していきたいと思います!

千代田区の看板ルール

千代田区で看板を設置する際は、都の条例に加え「景観まちづくりガイドライン」に準ずることが大切です。

千代田区は高級マンションが多いことで知られていますが、同時に低層の住宅街が広がっている特徴も持ち合わせています。ガイドラインにも「地域への配慮を欠かさないことが事業者の評価を高める」と記載があるように、街並みの美観に良い影響をもたらす看板デザインを心がけましょう。歩行者の目線に入りやすいことからも、1~3階の低層部分に看板を設置するのが基本です。

以下では、ガイドラインを参考に、屋外広告物の5つの目標と方針をまとめています。

目標景観誘導方針
歴史を活かす歴史的建造物の周辺では、歴史的・文化的な面影を残す街並みとの調和を図り、極力目立たないようにする。
水辺と緑を守り、活かす水辺や公園、緑地の周辺では、自然の美しさが引き立つような大きさ、形状、色彩にする。
界隈の個性を活かす地域や界隈の特性を踏まえ、大きさ、形状、色彩を考慮する。
活気とやさしさを与える隣接する、向かい合う建物との調和に配慮した大きさ、形状、色彩にする。
首都としての美しさを創出する原色や高彩度の色はごく少ない範囲に用いる。過度な装飾は避け、1つの建物に設置する広告物は極力集約させる。

このほか、千代田区では高齢者や色弱者に配慮した色彩の使用や内照式照明、バックライト方式の看板照明を推奨しています。光量を抑えた、千代田区らしい品格のある夜間景観が求められます。

参考:千代田区屋外広告物景観まちづくりガイドライン(素案)

千代田区のイメージと看板に求められること

千代田区が掲げる区の将来像は「都心の魅力にあふれ、文化と伝統が息づくまち千代田」です。また、将来像の実現のために、「子育てしやすいまち」「高齢者になっても住み続けられるまち」を重点課題としています。

実際、区民の方は千代田区にどんなイメージを求めているのでしょうか。以下は、在住区民を対象にしたアンケート調査の結果です。

出典:令和3年度 区の施策や将来像に関するアンケート実施概要

将来に望む千代田区のイメージとして、「安心・安全なまち」を挙げた人が全体の85%と最も多い結果です。つづいて、「治安が良いまち」が82.5%、「災害に強いまち」が74.2%となっています。

区民の方は、子どもから高齢者まで誰もが安心して暮らせる街を期待しているのではないでしょうか。

したがって、不安を煽る、あるいは攻撃的なデザインの看板は避けた方が無難です。彩度の高い暖色系の色は興奮作用があるため、多用はおすすめできません。反対に、彩度の低い寒色系の色は鎮静作用があるため、安心感を与えるのに向いています。

看板デザインで迷ったら、まずは色の持つ心理効果を考えてみましょう。

参考:千代田区|(PDF:千代田区のプロフィール)

千代田区の看板デザインの傾向

千代田区には、独特の「看板建築」が多く残されているのをご存知でしょうか。

看板建築とは、大正12年に発生した関東大震災の復興時に、建物のファザード(正面)を銅板やモルタル、タイルなどの燃えにくい素材で装飾した木造建築のことをいいます。

店舗兼住宅の建物に多く、建物と看板が一体化して見えるのが特徴的です。

柳原通り周辺では、神田川に沿うように看板建築が軒を連ねており、歴史を感じさせる趣のある景観が作られています。

老舗の古着屋でイベント会場としても親しまれる「海老原商店」は、1~2階がタイル張り、2階部分にモルタル、屋根に銅板が使用されています。昭和3年に竣工された際、当時では珍しく画家がデザインを手掛けたそうです。レトロかつ重厚感のある佇まいは、派手な装飾がなくとも存在感抜群ですね。

スーツの裏地やボタン、絹糸を販売する「岡昌裏地ボタン店」は、海老原商店と同じ昭和3年に建てられた看板建築のお店です。銅板が錆びて独特の色ムラができていますが、それもまた何とも言えず美しいですね。

千代田区では、看板建築をお手本とするかのような、繊細で上品なデザインの看板が多く見られます。例えば、海老原商店の向かい側にある「スーパーホテルPremier」の看板です。

ファザードの大部分に木目調のタイルを用い、壁面緑化を取り入れています。モノトーンカラーでまとめられたシックモダンなデザインが高級感を演出しています。

見る人を楽しませるおしゃれな看板は、現代の看板建築と言っても過言ではないですね!

参考:千代田区景観まちづくり重要物件(PDF:海老原商店)

日本一長い広告が有名!渋谷区の看板ルールやデザインの傾向を調査

渋谷スクランブル交差点の写真

東京23区の西部に位置する渋谷区は、渋谷駅や原宿駅、恵比寿駅など、山手線の主要駅が複数含まれるエリアです。人口約24万人、若者が集う商業エリアとしてだけでなく、オフィスビルが建ち並ぶビジネス街としても知られています。

なんといっても、1回の信号で約3,000人もの人が渡るという渋谷スクランブル交差点が有名ですね。渋谷での看板広告の集客力は計り知れません。

ここでは、そんな渋谷区の看板ルールやデザインの傾向、看板に求められる要素を検証してみましょう!

渋谷区の看板ルール

渋谷区で看板を出す時は、他のエリア同様、独自の景観形成ガイドラインに従う必要があります。

渋谷区は景観特性の違いによって6区域に分けられており、それぞれ方向性が異なります。以下では、各区域の景観形成の考え方をまとめました。

地域名方向性
本町・幡ヶ谷・笹塚歩きたくなる沿道、緑がつながる景観、歴史的景観の保全、低層部は賑わい・中高層部は風格のある景観
初台・西原・上原坂の上からの見晴らしの保全、緑との調和、緑豊かでゆとりある住宅地の景観保全、商店街の連続性のある景観保全
代々木・富ヶ谷潤いのある沿道景観、街中の緑がつながる景観、落ち着きのある景観、歴史的景観の保全、まとまりのある商店街の景観
千駄ヶ谷・神宮前新宿御苑周辺においての広がりある眺め・緑と調和した景観、歴史的景観の保全、緑豊かな住宅地景観の保全、商業エリアにおいてのショッピングや街歩きが楽しめる景観
氷川・新橋歴史的景観との調和、地形や自然の特性を活かした景観、低層の住宅地における落ち着いた景観の保全、都市部における賑わいのある景観
大向・代官山・恵比寿地形や自然の特性を活かした景観、公園のまとまりある緑の保全、商業エリアと住宅街の共存空間における歩いて楽しめる景観

上記はあくまでも一例です。看板を設置する周辺環境をよく観察し、方向性を見極めましょう。

参考:渋谷区景観計画 | 景観計画 | 渋谷区ポータル

渋谷区のイメージと看板に求められること

渋谷区が掲げている基本構想は、「ちがいをちからに変える街」です。多様性(ダイバーシティ)を受け入れ、まちづくりのエネルギーに変えるという考えに基づいています。

では、実際に渋谷を訪れる人は、渋谷にどんなイメージを持っているのでしょうか。東急プラザ渋谷で開催された「シブヤパブリック展」でのアンケート調査を参考に、分析してみましょう。

出典:シブヤパブリック展第3弾 | これまでの取り組み | 渋谷区ポータル

来場した20歳未満~90歳以上の幅広い年代の人に「あなたにとっての渋谷らしさとはなんですか?」という質問をしたところ、30%の人が「やすらぎ」と回答しています。

ここでいう安らぎは、静かで落ち着いているという意味ではなさそうです。年齢や性別、人種など、あらゆる多様性を受け入れてくれる包容力を評価する意見が多くみられました。

また、「にぎわい」や「都会」など、トレンドの発信地として、また外国人観光客が集まる街として、常に生き生きとしている所が渋谷らしいと感じている人が多いようです。

渋谷で看板を立てるなら、おしゃれで独創性のあるデザインがおすすめ。通行する人の意識を看板に向けられれば、集客効果はグッと高まるでしょう。渋谷では、デジタルサイネージなど動きのある看板を採用している企業も多いです。

参考:基本構想 | 基本構想 | 渋谷区ポータル

渋谷区の看板デザインの傾向

渋谷区の看板デザインの傾向は、にぎわいのあるエリアと落ち着きのあるエリアとで異なります。どのエリアでも、明るい色彩が積極的に取り入れられており、見るだけで心が躍るようなデザインの看板が目に留まります。

若者が集まるエリアや観光スポットなどでは、内外装ともにカラフルで豪勢な店舗が人気です。SNS映えする看板・トレンドを意識した看板を設置すれば、口コミから来客が増える可能性もあります。

住宅街や自然の多いエリアでは、草木や花などの緑を活用した店舗が多く見られます。看板を含む外観が周辺景観に溶け込んでいると、心地よい気分になりますね。

また、渋谷区では、2021年に代々木八幡駅の日本一長い広告看板が話題となりました。その長さは、なんと124メートル。ユニークさが受け入れられる渋谷ならではですね。

参考:長い広告看板、続くよ124メートル 小田急の駅に登場 [東京都]:朝日新聞デジタル

まとめ

今回は、東京都の看板ルールや千代田区・渋谷区の看板デザインの特色と傾向をご紹介しました。

どのエリアにも共通していえるのは、周辺景観・外観・看板の統一感が大切だということ。どんなにおしゃれな看板でも、地域の雰囲気にそぐわなかったり建物とのバランスが悪かったりすれば、その価値を発揮することが難しいでしょう。

東京都で集客力の向上を目指すオーナーさんは、弊社・オーエスアートにご相談ください。看板の設置やリニューアルを行うことで、店舗の印象をガラリと変えることも可能ですよ!

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