コロナ禍の影響を受けた業種はさまざまですが、中でも大きな影響を受けたのがアパレル業界だといわれています。
集客をしたくてもできない、営業を再開しても売り上げが伸びない、などやるせない思いをしたオーナーさんは多くいらっしゃることでしょう。
しかし、現在はアパレルの需要が完全に回復しているといわれており、急成長しているブランドも少なくありません。
アパレル関係の看板リニューアルは今がチャンスといっても過言ではないでしょう。
そこで今回は、ブティックや古着屋、中古ブランド専門店などアパレル関係の看板について解説していきます。
看板デザインのコツを店舗別にご紹介しますので、ぜひ看板製作を検討する際の参考にしてください!
アパレル関係の看板リニューアルは今がチャンス!?その理由とは
アパレルの店舗では、商品の仕入れや店内のレイアウトに重点を置きがちですが、集客においては外観や看板が非常に重要であることを忘れてはいけません。とはいえ、メンテナンスのタイミングをつかむのも難しいですよね。実は、アパレル関係の看板リニューアルは今がチャンスなんです!
ファッションへの注目・関心や需要が回復した
アパレル店舗における売上の激減には、コロナ禍の営業停止や営業時間の短縮など店舗側の要因だけでなく、外出機会の減少やリモートワーク増加など消費者側の要因もありました。
有名ブランド企業の倒産や閉店なども相次いで飛び込んできたように、2020年から2021年にかけてアパレル実店舗の需要が大きく減り、肩を落とすオーナーさんも多かったことでしょう。
しかし、2022年頃から徐々に需要回復の兆しが見え始め、現在ではコロナ禍以前にまで需要が完全復活したといわれています。
その一方、衣類や雑貨などアパレルへのニーズに大きな変化があったといいます。コロナ禍やその直後はECサイトなど通販で購入するお客さんが多かったのが、現在は実店舗で購入する人が増えている傾向にあるのです。
転職して出社が増えたので、アウトレットで服を爆買いした💸💸
— 高橋綾香@YOUTRUST (@ayaka_youtrust) April 16, 2023
コロナ禍になってから服買ってなかったから、久しぶりに買い物らしい買い物して楽しかったから、明日から買った服着て仕事頑張れる!!
今年はノーカラーコート かチェスターコートを買いたいなぁ
— Grassia (@Grassia_0810) September 28, 2022
アウターそこそこ持ってるけど、少し癖が強いものばかりだから
今年は落ち着いたデザインのものを買いたい☺️
コロナで外出が減ったから服買う機会も減っちゃって
新しい服を買った時のワクワクを今年はしたいぞうヾ(:3ノシヾ)ノシ
服も少しずつ処分したりメルカリ出品中🙋♀️お気に入りのものしかないのが理想だな~ コロナ禍でネットで買う習慣がついちゃったけど、サイズ感失敗したり、着てみるとなんか違ったりで、やっぱり店舗で試着して買うのが良いなと感じる🙃
— SONO☺︎ (@snk_131) October 14, 2023
SNSでも、「久しぶりに服を買った」「出かける機会が増えたので新しい服が欲しい」という声を多く見かけるようになりました。
トレンドの移り変わりや通販での失敗経験なども実店舗での購入意欲に繋がっているようです。
国内ブランドが海外からの人気を高めている
速乾性や発熱性、抗菌性など高機能繊維の生産を得意とする日本のアパレル産業は、海外からも高い評価を得ています。アパレル市場規模は年々縮小傾向にあるとはいえ、海外需要が高まっているのは良い兆しといえるでしょう。
また、コロナの水際対策が緩和されて以降、外国人観光客が増加しており、集客のチャンスが増えています。観光客は必ずしも大手ブランドショップや百貨店で買い物をするとは限りません。東京や横浜の一部エリアは海外でも「ファッションの街」として知られており、ブティックや古着屋、中古ブランド専門店に足を運ぶ観光客は多いです。
とはいえ、東京や横浜には多くのアパレル点があるため、何かしら訴えかけるものがなければスルーされてしまう可能性が高いです。せっかく店舗の立地条件が良くても、集客のチャンスが活かせなければ意味がありません。
初めてその街を訪れる人は、外観や看板を見て入店するか否かを判断します。
来店のきっかけを掴むためには、外国人観光客の目に留まる看板デザインが必要なのです。
参考文献:【資料3】経済産業省大臣官房審議官(製造産業局担当) 柴田 敬司|消費者庁
アパレル店の看板製作のポイントを店舗の種類別に解説!
アパレル店における看板は、ショップの顔のようなものであり、声を発さずに呼び込みをしてくれる重要な存在です。集客力アップはもちろん、他店との差別化を図ったり商品を魅力的に見せたりするのに大きな役割を果たします。看板の新規設置やリニューアルにあたり、デザインや配色で悩まれる方は多いことでしょう。
ここでは、東京や横浜のアパレル店の看板製作におけるポイントを、店舗の種類別に解説していきます。
レディース衣料品店
アパレル店の中でも特に需要が高いのが、婦人服を取り扱う衣料品店です。
商業施設やデパートに店舗を構える場合もありますが、東京や横浜などの都会では、駅前や商店街に路面店を構えていたり、ファッションビルやテナントビルの一角にあったりすることも多いです。レディース衣料品店の中でも、特に専門性や独創性の高い店舗はブティックと呼ばれます。
看板デザインを行う際に考慮すべきポイントは3つです。
①衣類のジャンル
販売する衣類のジャンルによって好ましい看板デザインに違いがあります。
衣類のジャンル | 好ましい看板デザイン |
一般的なファッションウェア | 丸みを帯びたフォントや植物、花などの女性らしいモチーフ、赤やピンクなど可愛らしいイメージの色が用いられた看板 |
パーティードレスやダンス衣装など | 英語や筆記体などおしゃれな文字、ゴールドやシルバーなどラグジュアリーな印象の色が用いられた看板 |
スーツやフォーマルウェアなど | ブラックやブラウンなど落ち着いた配色もしくはブルー系統の知的なイメージの色、上品で高級感がある明朝体やフォーマルな雰囲気のゴシック体のフォントを用いた看板 |
上記はあくまでも一般的な例です。ブランドのイメージやコンセプトがある場合は、そちらを優先するのが理想的です。
②店舗の立地
関東近郊には数多くのアパレル店が存在しています。東京・銀座や日本橋のように百貨店やデパートが建ち並ぶエリアもあれば、表参道や青山のようにファストファッションを中心としたおしゃれなブランドショップが並ぶエリアもあります。
目立つ看板は人目を惹きますが、派手なだけでは“悪目立ち”する恐れがあるため、街の雰囲気との調和もある程度考慮しなければなりません。ですから、店舗がどのエリアに属しているかも看板デザインを決める重要なポイントです。
③ターゲット層
ファッションジャンルや年齢層など店舗のターゲット層を明確にすると、看板デザインがスムーズに進みやすいです。どんなにおしゃれな看板でも、ターゲット層に関心をもたれなければ集客効果は薄いです。極端な例ですが、ミセス向けのきれいめファッションを取り扱う店舗の看板に、動物のイラストやゴテゴテした装飾は向いているとは言えません。
一般的なファッションウェアを3つの系統に分け、看板デザインで重視すべきポイントをまとめてみましょう。
ファッション系統 | 具体例 | 看板デザインのポイント |
きれいめ系統 | オフィスカジュアル、ビジネスカジュアル、エレガント、ガーリー、フェミニン、ナチュラル | ・ターゲット層は幅広い年齢層・ムダのないシンプルなデザイン・無彩色(黒、白、グレー)を基調とし、個性を前面に出し過ぎない |
カジュアル系統 | アメカジ、ストリート、スポーティー、原宿系、モードカジュアル、アウトドア、トラッド | ・ターゲットの年齢層はやや低めに設定・フォントや配色は力強いものを選ぶ・看板の素材や形状も個性的なものが◎ |
その他の系統 | 量産型、地雷系、オルチャン(韓国系統) | ・ターゲットの年齢層は女子高校生~20代を想定・人気のスイーツや動物など可愛らしいモチーフを使う・パステルや淡い色、黒など系統に合わせた配色 |
レディースのファッション系統は種類が非常に多いですが、その分ターゲット層を絞りやすいです。看板デザインの際は、取り扱うファッション系統を割り出すことから始めると良いでしょう。
メンズアパレルショップ
レディース衣料品店に比べると数は少ないものの、最近はおしゃれな男性も増えており、メンズアパレルショップの需要も高いです。女性と同じようにファッション好きな人や洋服を衝動買いしてしまう人は少なくないですが、一般的に男性はウインドウショッピングが好きではないといいます。
女性に比べて合理的思考の人が多く、あれこれ店を見て回るよりも、目的の店を決めて買い物する傾向にあります。「洋服を買う」という購入意欲をしっかりと持った人がメインターゲットになるため、看板をきっかけに入店してもらえれば、商品を購入してもらえる可能性は非常に高いです。
メンズアパレルショップの看板デザインを決める時にもっとも考慮したいのは、男性特有の脳の働きです。看板デザインを行う際に考慮すべきポイントは3つです。
①一目で分かるデザイン
男性は視覚優位の傾向が強いため、一目で分かりやすいデザインを好みます。男性人気の高い「青」や「緑」を用いると好感を得やすいでしょう。女性に比べて明暗の見分けが苦手といわれるため、濃淡のある配色やはっきりとした色、フォントを選ぶと良いです。
参考文献:あなたの好きな色は? | 市場調査・日本リサーチセンター(NRC)
②立体感や動きがあるデザイン
また、空間認知能力が高く、立体感や奥行きなど物の全体像をつかめるため、立体的なデザインや動きのあるデザインに惹かれやすいです。カルプ文字や切り文字などの立体文字は集客効果を高めてくれるでしょう。
③意味のない装飾は避ける
男性は物事に理由や根拠を求める傾向にあるため、意味のない装飾はできるだけ避けた方が無難です。
もちろん、個人差やブランドイメージによっても違いがあるため、一概にはいえません。専門店が看板製作を行う際は、より細かい条件をヒアリングしてデザインを決めます。
カジュアルウェア
男女兼用もしくはメンズ・レディースのカジュアルウェアを取り扱う店舗です。普段着としての需要が老若男女問わず安定しており、幅広い層のターゲットが狙えます。
カップルやファミリーで来店する場合も多いため、店舗の外観や看板デザインでは、高級感や重厚感よりも親しみやすさに重点を置き、気軽に入れる雰囲気を大切にしましょう。
購買意欲を高める赤色や暖かみを感じさせるオレンジ色を用いるのがおすすめです。
子供服・ベビー服
子供服やベビー服の専門店は、主にお子さまやその親御さんがターゲット層になります。
メイン看板にはブランドロゴや子どものイラスト、フルーツ・動物・乗り物のイラストなどを掲載し、「かわいらしさ」や「遊び心」を取り入れるようにします。
角張ったフォントは敬遠されるため、丸みを帯びたフォントや手書き風フォントを使うのがおすすめです。難しい漢字はなるべく避け、子どもが読みやすいひらがなやカタカナを優先的に使用しましょう。
古着屋
アパレル店の中でも、近年特に需要を高めているのが古着屋です。2020年のリユース市場規模調査では、リユース市場全体の販売額は2兆4169億円で、そのうち最も割合が多かったのは16.6%(4010億円)の衣料・服飾品でした。ターゲットとなる年齢層も幅広いため、魅力的な看板を設置すれば新規顧客獲得に繋がるでしょう。
東京で人気の古着屋エリアというと、下北沢や吉祥寺、高円寺、原宿などが挙げられます。横浜駅周辺はアメカジやビンデージ品を取り扱う古着屋が多いことで有名です。このエリアに古着屋を出店するとなると競合が多いため、いかに他店との差別化を行うかが集客アップのポイントになります。
取り扱う洋服のジャンルにもよりますが、「良質なものを安く手に入れたい」「1点物や個性的な洋服との出会いを楽しみたい」「古いものを大切にしたい」と考えるユーザーが多いため、看板デザインでは次の点を意識しましょう。
- 型にはまりすぎずその店のコンセプトを重視する。
- 無彩色(黒、白、グレー)だけでなく有彩色(赤、青、緑など)も取り入れる。
- メイン看板とは別にサブ看板を設置し、価格の安さやセール情報を告知する。
- 手書き看板やナチュラル素材を積極的に用いる。
東京や横浜の古着屋は人気モデルやインフルエンサーのSNSで紹介されることもあります。看板デザインを工夫すれば、有名人に宣伝してもらえる可能性もありますよ!
中古ブランド専門店
ルイヴィトン、シャネル、グッチなどの海外ブランドは根強い人気を誇りますが、コムデギャルソンやヨウジヤマモト、イッセイミヤケなど日本のファッションブランドは海外でも人気があります。外国人観光客が増加していることもあり、中古ブランド専門店のニーズも高まっているのです。
新品価格の上昇も背景にありますが、日本の中古ブランド品は品質に定評があるため、人気商品は定価とほぼ同じ、もしくは定価よりも高い価格で売れることもあります。買取と販売のサイクルを潤滑にするには集客数が必須となるでしょう。
中古ブランド専門店で集客効果を出す看板デザインのポイントは2つ。
①信頼感を与える
ハイブランドを取り扱う店舗では、「本物を販売している」という信頼感が何より大切です。そのため、看板デザインにおいては、高級感や重厚感を演出したいもの。信頼感や誠実さを連想させる青、清潔感や潔白を表す白、シャープで重みのある黒を基調にすると良いでしょう。
②外国人観光客に分かりやすく
どんなにおしゃれな看板でも、内容が理解できなければ集客効果は見込めません。初めて訪れる外国人観光客でも分かるように、多言語表示を心がけてください。メイン看板のどこかに、主な取扱品(洋服やバッグ、ジュエリー、時計など)のイラストを入れるのがおすすめです。
その他
上記で挙げたもの以外にも、靴、ルームウェア・インナーウェア(下着)、スポーツウェア、ジュエリー、雑貨など扱う商品によってさまざまな店舗があります。店の形態や面積に応じて設置できる看板に制限が出ることもありますが、メイン看板とサブ看板を上手く使い分けられれば集客効果は期待できます。
まとめ
今回は、ブティックや古着屋、中古ブランド専門店などアパレル関係の看板について解説しました。
アパレルやファッションの需要が回復した今が集客アップのチャンスといえます。東京近郊には数多くの衣料品店がありますから、お客さんの関心を集める看板を設置して他店との差別化を成功させましょう。
アパレル関係の看板デザインは、店舗の種類によって好まれる傾向に違いがあるため、ターゲットの心理もしっかりと理解する必要があります。ファッションジャンルや性別、年齢によってある程度の嗜好を割り出すことは可能ですが、専門的な知識がなければ判断が難しいところでもあります。
弊社・オーエスアートでは、屋外広告士監修のもと、東京・神奈川・埼玉・千葉のエリアにて、アパレル関係の看板製作に対応いたします。衣料品の店舗では外観が集客数に直結することもあります。新規オープンやリニューアルの際は、外装を含めたトータルプロデュースを弊社にお任せください。
記事の後編では、より詳しい看板デザインや実際の施工事例をご紹介していきます。ぜひ併せてご覧ください。