【後編】埼玉県の看板デザインの特色と傾向を調査!注意したいルールも解説

前回は、埼玉県の特色や看板ルール、さいたまエリアにスポットを当てた看板デザインの傾向をご紹介しました。

埼玉県には、さいたまエリア以外にも個性あるまちがたくさんあります。東京と遜色のない都会の雰囲気があるエリア、日本の情緒漂う古い町並みが魅力的なエリア…まちの特性によっても、好ましい看板デザインに違いが生じます。

引き続き、埼玉県の看板の傾向についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね!今回は、看板専門店の弊社が製作した埼玉県の施工事例もピックアップしますよ!

現代の小江戸こと川越市!看板ルールやデザインの傾向を調査

川越市は、埼玉県の南西部に位置する市で、中核市、業務核都市および保健所政令市に指定されています。人口は約35万人と埼玉県で3番目に多く、世帯数は約17万世帯。全国を対象にした調査では、「SDGs(持続可能な開発目標)調査」と「幸福度」の双方で第1位を獲得しています。

市内を訪れる観光客は、年間約730万人以上と言われています。海外人気も高く、最近では外国人観光客が増えている魅力に溢れた市です。

ここでは、日本一幸福な市・川越市に着目して、看板ルールやデザインの傾向、看板に求められる要素などを調査していきます!

参考:1位は川越市!幸福度や定住意欲度などに関する地域の持続性「市版SDGs調査2020」の結果は? (2020年1月31日) – エキサイトニュース

川越市の看板ルール

川越一番街商店街の写真

川越市には独自の屋外広告物条例があるため、看板を設置する際はこの条例に従う必要があります。

禁止広告物および共通基準は埼玉県の条例とほとんど同一です。川越市の景観特性は歴史的景観・自然的景観・市街地的景観の3つに分けられます。良好な景観の形成に貢献するためにも、川越市の各地域の特性を良く理解しておく必要があるでしょう。

伝建地区(伝統的建造物群保存地区)では、自己の敷地内に提出する店舗等の自家用看板以外は掲示できないので注意してください。看板の大きさによっては、自家用であっても許可申請が必要な場合もあります。

伝建地区における看板デザインの共通原則をまとめます。

  • 看板は大きさや派手さよりもデザインの質を重視する
  • 直感的に業種が分かるデザインにする
  • 2階の軒より上には看板を設置しない
  • 無垢材の木材や鋼材など天然素材を用いる
  • ペンキなどは避け、素材を活かした仕上げにする
  • 町並みに調和する配色とし、原色の白や黒は避ける
  • 洒落やアイデア、庶民芸術に富んだデザインにする
  • 日本文字を活用し、看板全体のバランスを考慮する
  • 演出には電飾看板ではなく照明を用いる

川越市は県で唯一歴史都市に認定されている市ですから、看板デザインの際は町並みとの調和を最優先にしましょう。

参考:都市景観/川越市

川越市川越伝統的建造物群保存地区 創作看板

川越市のイメージと看板に求められること

川越市では、公式キャッチフレーズとして「時が人を結ぶまち川越」を掲げています。

「小江戸」と呼ばれる由来は、江戸時代に徳川将軍家や江戸と深い関りがあったことから。歴史や伝統、文化を継承する川越では、喜びや悲しみを人と人が分かち合える“温かい町”のイメージを大切にしているようです。

SNSでも、川越市のイメージを調査してみました。

川越というと、「古風な感じ」「心が落ち着く」「日本的」といったワードが連想されるようです。蔵造りの町並みのイメージが強い方もいると思いますが、最近では新旧が混ざり合ったおしゃれなエリアに変化しているという声もあります。

看板デザインでは、川越の伝統や文化が感じられ、かつ訪れた人が楽しめるような工夫を凝らしたいですね。

参考:市のキャッチフレーズ・シンボルマーク 川越市

川越市の看板デザインの傾向

川越市の看板デザインの傾向は、屋外広告物条例に沿い、かつ市のイメージに合致したものが多いです。伝建地区を中心に、歴史的風情を演出できる屋根看板や屋形看板、軒下・袖看板がところどころに用いられています。

有名なチェーン店の看板でさえ、周辺景観や建物と調和したデザインになっていることに驚きました。川越にしかないオリジナリティのある店舗になっていますね。

川越エリアの看板は、サイズが小さく、シンプルにまとめられているのが特徴的です。共通原則にあったように、凝った形状やモチーフで店舗の個性が表現されており、一つひとつの看板がまち全体をおしゃれに彩っているようです。

2年連続住みやすい街トップ!川口市の看板デザインを調査

川口駅の写真

埼玉県の南東部に位置する川口市は、荒川を挟み東京都に隣接している市です。川口駅から新宿まで25分と交通の利便性がよく、商業施設が多く生活しやすいエリアで知られています。

人口は約61万人、世帯数は約30万世帯と、県内ではさいたま市に次いで人口が集中しており、ベッドタウンでありながら都会の賑やかさを持ったまちといえます。そんな川口市は、「本当に住みやすい街大賞」で2021年と2022年に連続して1位を獲得しています。

ここでは、川口市にスポットを当てて、看板ルールやデザインの傾向、看板に求められる要素などを調査していきます!

参考:「本当に住みやすい街」2年連続で川口1位 23年に高層マンション完成、商業施設そろい、新宿まで25分|埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題

川口市の看板ルール

川口銀座商店街(樹モール)の写真

川口市には独自の屋外広告物条例があるため、看板を設置する際はこの条例に従う必要があります。

禁止広告物および共通基準は埼玉県の条例とほとんど同一ですが、川口市では用途地域ごとに使用できる色の基準が決められています。基本的には彩度3以下とされていますが、色相がR(赤)またはYR(黄赤)の場合、地域によって彩度に制限が設けられています。

店舗などの壁面看板に関しては「自家広告物の基準」の項目を参考にしてください。

許可地域内の場合、一つの壁面につき面積の1/5以下であれば許可不要で設置できます。禁止地域内であっても、表示面積が5㎡以下なら許可不要で設置可能です。(許可を取得すれば10㎡以下まで可)

参考:川口市屋外広告物条例|川口市ホームページ

川口市のイメージと看板に求められること

川口市の良いところ、好きなところを男性に調査した結果のグラフ
川口市の良いところ、好きなところを女性に調査した結果のグラフ

出典:市民意識調査の結果について|川口市ホームページ 令和5年度「総合計画のための市民意識調査結果報告書」

川口市が実施した市民意識調査では、川口市の良いところ・好きなところについて「都心に出やすい」「買い物など日常生活が便利」という回答をした人が男女ともに多い結果になっています。

特に、18~29歳の若い世代は、都心への交通アクセスの良さや商業施設の多さを魅力と感じている傾向にあるようです。一方、75歳以上の方は災害の少なさや自然環境の豊かさなど、環境の良さを評価しています。

看板で賑わいを演出することも大切ですが、「安心安全」「自然豊か」といった川口市の良いイメージを損ねないように考慮しましょう。

川口市の看板デザインの傾向

川口市は東京都に近いこともあり、都心の繁華街で見かけるようなおしゃれな看板が非常に多いです。アルミやステンレスなど看板の素材もさまざまで、英語表記の切り文字もあちこちで見かけます。江戸風情あふれる川越とは異なる意匠が感じられました。

SNSでも、どの看板をピックアップするか迷うくらい素敵なデザインがありましたよ!

木材の持つ温かみと、アルミ・ステンレスの持つ無機質さを上手く融合した看板が目に留まりました。洗練されたおしゃれな外観の店舗が多く、川口エリアの「都会としての優れた機能」が表現されているようです。

季節のデコレーションや手書き看板がさりげなく添えてあると、お客さんに親近感を与えます。ただおしゃれなだけでなく集客アップにも考慮した看板は、実際にデザインする際のお手本になりますよ!

埼玉県の看板は専門店にお任せを!弊社の施工事例をご紹介します

弊社は、東京・神奈川・埼玉・千葉のエリアで看板デザイン・製作をおこなっている看板

専門店です。これまで、埼玉エリアでも多数ご依頼をいただき、多業種の看板製作に携わってまいりました。

ここでは、弊社が実際に製作した埼玉県の看板の施工事例をご紹介します。

VICKEY PIZZA様(埼玉県越谷市)

埼玉県越谷市にある、1人前ピザ専門店「VICKEY PIZZA様」の看板を施工しました。

閑静な住宅街の中にあるお店ですので、通行人の興味を惹きつつも、奇抜になりすぎないよう配慮しました。使う色の数を最小限にして彩度を抑え、周辺環境に馴染むよう仕上げています。赤や黄のような暖色は食欲を増進する色なので、飲食系には最適なんですよ!

壁面看板やウインドウサインにピザのイラスト(ロゴ)が入っているので、業種がひと目で分かるようになっています。

ポラス住まいの情報館 大宮営業所様(埼玉県さいたま市)

埼玉県さいたま市にある「ポラス住まいの情報館様」の看板を施工しました。

地域密着50年以上の歴史ある不動産会社さんですので、看板デザインにあたり、長年のイメージを大切にしたいと考えました。壁面看板やウインドウサインは可能な限り「シンプルに」を心がけ、ロゴマークを大きく掲載しています。緑は安心感や安全を、青は信頼感や誠実さを連想させる色ですので、住まいを提供する不動産会社の看板としては理想的な配色です。余分な色は用いず、統一感あるデザインに仕上げました。

株式会社ハウジングトラスト様(埼玉県所沢市)

埼玉県所沢市にある「株式会社ハウジングトラスト様」の看板を施工しました。県道に面した立地を生かすべく、全体を明るい黄緑色で統一し誘目性を高めました。緑色は夜間にドライバーから認識されやすい色なので、営業時間外にも宣伝効果を発揮するメリットがあるんですよ!壁面看板にカルプ文字を用い、社名やロゴを立体的に見せて存在感を増強。ガラス面を有効活用することで、目隠し効果も付加しています。

まとめ

同じ埼玉県内でも、看板デザインを比較してみると、さいたま市・川越市・川口市の各エリアで全く異なる傾向がみられました。看板は単なる「広告」ではなく、まちの雰囲気や継承される文化を伝えるものなのかもしれませんね。

弊社・オーエスアートは、屋外広告士監修のもと、看板製作を行う看板専門店です。「条例や周辺環境に馴染む看板デザインにしたい!」など、埼玉県の看板デザインでお悩みの際は弊社にご相談ください。
東京・神奈川・千葉のエリアにも対応しておりますので、看板の設置やリニューアルをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

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