屋外用の看板を作るとき、看板に描く文字や店舗のオリジナルロゴ・イラストなど、できるだけ目立たせたいものです。
目立たせるのはいいけど、コストはあまりかけられないという場合、看板素材のカルプを使ってみると良いでしょう。
カルプは、日常生活ではあまり聞きなれない言葉ですが、看板素材としては良く使用されるものです。
硬いスポンジとよく表現される素材で、自由に文字を切り抜けることが特徴です。
そんなカルプを使った看板がおすすめの理由と、メリット・デメリットを紹介していきます。
看板材料の1つ【カルプ】とは?
カルプは、板状の看板素材で、発泡ウレタン樹脂のことを指します。合成樹脂をベースにして添加剤を加えた素材で、看板製作の際に基本的な素材として使用されることが多いです。
カルプの意味は、「カルシウム・イン・プラスチック」を略した単語であり、加工前の板状でも女性が軽々持ち上げられるほど軽く、表面は意外と硬いそんな素材です。
一般的なカルプは10mm~50mmと幅があり、白と黒の2色が基本、取り扱い業者によっては赤など他の色を扱っているケースもあります。
加工したカルプは、ペンキなどの塗料を塗ることができるので、白と黒以外のカラーリングにも対応しています。
メインのお店の名前は黒、ラーメンや銘菓などの店名の前後の文字は赤などのような使い方ができます。
屋外看板に使用するときのカルプ文字の耐久性はどうなのか
屋外用の看板製作時に重要なのは、耐久性が挙げられます。見た目も大切ですが、一定期間の耐久性があるかどうかは、素材選びの基本にもなるでしょう。
カルプは、金属製の看板に比べると耐久性は劣るものの、屋内外での使用には短期から中期程度の耐久性が期待できます。
耐水性・耐候性もあるので、いきなり金属製の看板を作るのはちょっとという場合の代わりにもなります。
ただ、長期的な外看板として使いたいなら、いくつか工夫する必要があるのでその点は理解しておきましょう。
カルプ文字のメリットとデメリット
カルプ文字は、最大50mmまでの厚みの板を店舗名や商品名などにくりぬき、必要に応じてペンキを塗ったり、耐水塗装などを施したりして店の顔となる看板に使用します。
文字の書体や装飾の付け方により、印象ががらりと変わることもよくあり、どんなイメージの文字も形にできることが魅力です。
そんなカルプ文字について、メリットとデメリットをチェックしていきます。
メリット
立体感ある目立つ文字・看板を作成できる
カルプ素材は、硬いスポンジのようなものであり、店名や商品名を切り出すことで、立体感あふれる目立つ看板を作ることができます。
カルプ素材の厚みを厚くするほど立体感が出ることや、カルプ文字の断面に影を付けたり、色付けしたりすることで、より一層浮き出たように見せることもできます。
金属を使った箱文字より安く製作できる
立体文字を使った看板には、金属を使った箱文字があります。箱文字とカルプ文字では、圧倒的にカルプ文字の方が安く製作できることもメリットでしょう。
背景となる看板のベース部分には、両面テープや接着剤などでも付けられるため、接着においてもコストを削減できる強みがあります。
アルミ複合版などほかの材料との組み合わせしやすい・加工しやすい
カルプという素材は、他の素材と組み合わせることに長けていて、アルミ複合版などを表面に張り付けることでカルプ自体のざらざら感を解消し、見た目の美しさを演出することができます。
また、アクリルや塩ビなどのプラスチック素材、薄い金属素材などとも相性が良く、美しく豪華な仕上がりにすることもできます。
配色を黒×金などに統一すれば、より美しさや豪華さが際立つ仕上がりとなります。
書体を変えると上品さや高級感を出せる
カルプ文字に使用する書体は、さまざまな書体に対応しています。
一般的なゴシック体も目立つ看板づくりには適しているのですが、行書や草書、もしくはオリジナルのフォントなどを使用することで上品さや高級感を出せます。
丸みがあるフォントを使えば、可愛らしい印象や優しい印象にも仕上がるでしょう。
店舗のイメージ、商品のイメージなどに合わせて選択することで、より一層印象的な看板を製作することができます。
デメリット
表面がざらざらしている
カルプ素材は硬いスポンジのような素材のため、表面はざらざらしています。
発泡剤の特徴・欠点として挙げられる部分なのですが、外看板として使用している間は、ざらざらしている部分に水垢やほこりが付着すると汚れの方が目立ってしまうデメリットがあります。
看板という性質上、立体的な文字が汚れて見えてしまうとお店のイメージダウンにもつながってしまうため、防塵など何らかの加工を施す必要があるでしょう。
屋外で長期使用する際には再塗装が必要
カルプ素材は、耐久性があるといっても長期間使用する場合は金属看板にかないません。
長期的に屋外看板として使用する場合は、アルミ複合版を貼ったりアルミ複合版へシートを貼ったりする必要があります。
屋外で長期的に使用する場合はカルプ自体の劣化を抑えるための表面塗装がおすすめです。
防水・防塵は耐候性にも効果的な塗装だとより良いですが、その塗装の分の費用が余分にかかる恐れがあることがデメリットです。
看板へのコストを下げたいと思ってカルプ素材を選んだけれど、結果的に加工や塗装が加算で金属看板と大差なかったということがないように気を付けなければなりません。
まとめ
今回は、看板素材のカルプを紹介しました。カルプは看板業界では立体的な文字を製作する場合に良く利用するもので、金属看板よりもコストがかからないことが特徴です。
また、書体やフォントによる印象の変化、陰影、カラーの使い方によっては、可愛らしくなったり、高級感溢れる看板になったりするのも魅力の1つです。
屋外の看板を作りたいけれど、コストは抑えたい方、立体的で目立つ看板が欲しい方、お店の顔となる存在感ある看板が欲しい、そんなときにはぜひ、カルプ素材を検討してみてください。