ここまで、千葉県と神奈川県の看板デザインについて、特色や傾向をご紹介してきました。
2県を比較してみると、歴史や文化が違うだけでなく、看板ルールやデザインにも細かな違いがみられました。
看板で集客効果を得ることはもちろん大切ですが、景観や住む人の安全を維持することも考慮しなければなりません。
今回テーマとなる埼玉県でも、各市で屋外広告物条例が制定されており、景観や安全性を確保するための看板ルールが設けられています。
近年、大ヒット映画『飛んで埼玉』の舞台として注目されている埼玉県では、どのような看板デザインの特色がみられるのでしょうか。
埼玉県ってどんなところ?特徴や文化をチェック!
東京都の真北に位置する埼玉県は、関東平野の西部にある内陸県です。北は群馬県・栃木県に、東は茨城県・千葉県に、西は長野県に、南は東京都・山梨県に隣接しており、交通の利便性が良いことから住みやすい県と言われています。
面積は約3,798㎢、総人口約733万人、世帯数は約331万世帯。政令指定都市であるさいたま市を含め、40市22町1村で構成されており、台形のような形をしています。
そんな埼玉県の特徴や文化をチェックしていきましょう。
埼玉県の歴史とシンボル
埼玉県で人々が暮らし始めたのは、今から3万年ほど前と考えられています。県が行った発掘調査では、5000~6000年前の生活が伺える遺跡や石器類などが確認されています。
645年の大化の改新の際に、現在の東京都・神奈川県川崎市・横浜市と埼玉県全域が加わり「武蔵國(むさしのくに)」となりました。奈良時代や室町時代には有力な武士たちの戦いの場となり、江戸時代には関東地方の穀倉地帯として栄えるようになりました。
動植物がのびのびと育つ自然豊かな埼玉県では、県鳥「シラコバト」、県木「ケヤキ」、県花「サクラソウ」など、県に生息する生き物がシンボルとなっています。
埼玉県では、「コバトン」「さいたまっち」といった可愛らしいマスコットキャラクターが親しまれています。指定色での使用やアレンジ不可、コピーライトの表示など一定のルールがありますが、看板や掲示物、チラシ、ポスターなどの広告物への掲載が可能です。看板デザインの際は、マスコットの掲載を検討してみても良いと思います。
埼玉県の文化や伝統
全国有数の農業県である埼玉県には、狭山茶や深谷ねぎ、いちご、さといもなどさまざまな名産品があります。県の伝統技術では、ユネスコの無形文化遺産に登録された手漉き和紙(細川紙)、絹織物の着物を用いた岩槻人形、本染ゆかたなどの染め物などが有名です。
その一方、歌舞伎や獅子舞、神楽などの郷土芸能が国や県、市町村の無形民俗文化財に指定されるなど、県独自の文化として継承されています。
埼玉県の他にはない魅力
埼玉県は文化芸術活動が盛んな県です。さいたま市には、新旧問わずさまざまな催しものが行われている座席数776席の彩の国さいたま芸術劇場があります。郷土芸能のほか、演劇やオペラ、コンサートなどの公演が一年を通して多数開催されています。
また、日本最大のサッカースタジアム・埼玉スタジアム2002や多目的で使用されるさいたまスーパーアリーナなど、規模の大きなスポーツ施設があり、スポーツの地としても注目されています。
都心へのアクセスが良好、かつ自然豊かな埼玉県は「快適に住める場所」としての魅力が満載です。
参考:埼玉県の紹介 – 埼玉県
埼玉県で看板を設置する時に注意したい「屋外広告物条例」について
屋外広告物とは、常時もしくは一定期間継続して、屋外・公衆に掲示される表示物のことです。壁面看板や立て看板、張り紙などが該当します。埼玉県の屋外広告物条例は、屋外広告物の設置に関してのルールが定められたものです。
ここでは、埼玉県の屋外広告物条例を分かりやすく解説していきます。
条例の目的と適用エリア
埼玉県の屋外広告物条例は、看板などの屋外広告物についてルールを設けることで、街の景観を良好に保ち、公衆(人や自然物)への危害を防止することを目的に制定されています。
この条例は、一部の市区町村を除き埼玉県全域に適用されるものです。適用外のさいたま市、川越市、川口市、越谷市の4市では、独自の条例のみが適用されますが、熊谷市、春日部市、戸田市、新座市、八潮市、三郷市では市独自の条例と埼玉県条例のいずれも適用されます。
禁止広告物と共通基準
埼玉県の条例では、次の屋外広告物は設置することが禁止されています。
- 汚染や退色、塗料などの剥離が著しいもの
- 破損や老朽化が著しいもの
- 倒壊や落下の恐れがあるもの
- 信号機や道路標識に類似するもの
- 道路交通の安全を阻害する恐れがあるもの
また、共通事項では、看板デザインの際に考慮すべき規制も設けられています。
- 同系統の中間色を用いて色調が整えてある
- 蛍光塗料や発光塗料、反射塗料はNG
- 裏面、側面が美観を損なっていないこと
条例に違反しないためにも、看板の定期的なメンテナンス・リニューアルは必須といえます。
条例では、一部の居住専用地域や市民農園など、屋外広告物の掲示を禁止している地域もあるため、看板設置の際は注意が必要です。
参考:屋外広告物法及び埼玉県屋外広告物条例について – 埼玉県
県で人口NO.1のさいたま市!看板ルールやデザインの傾向を調査
さいたま市は、埼玉県の南東部に位置する市で県庁所在地です。人口は約130万人と県で一番多く、毎年約1万人の人口が増え続けています。都心へのアクセスが良好でレジャースポットも多く、「住みたい街ランキング2024首都圏版」では横浜に次いで第2位にランクインしています。
ここでは、そんなさいたま市に着目して、看板ルールやデザインの傾向、看板に求められる要素などを調査していきます!
さいたま市の看板ルール
さいたま市には独自の屋外広告物条例があるため、看板を設置する際はこの条例に従う必要があります。
禁止広告物および共通基準は埼玉県の条例とほとんど同一です。埼玉県の条例との違いは、さいたま市には「屋外広告物の地色に赤および黄の原色または黒色を使用していないこと」という基準がある点です。
その他、屋外広告物の許可基準として、建物を利用して出す場合、あるいは建物から独立させて出す場合にそれぞれの規則が設けられています。例えば、次のような規則です。
- 壁面看板は建物の各面の面積の1/5以下(看板が複数の場合は、合計面積が基準以下)
- 市街化区域の自家広告物は、表示面積が1面30㎡以下かつ総面積60㎡以下)
条例に違反すると、広告物が除却されることがあるので注意が必要です。
ただし、社会生活上最低限必要と思われるものなど、条例が適用されない場合もあるため、看板デザインの際は県や市の条例をしっかり把握しておきましょう。
さいたま市のイメージと看板に求められること

さいたま市民意識調査でのさいたま市のイメージでは、調査を受けた市民の半数以上の方が「買い物など生活に便利なまち」と回答しています。次いで、「居住・生活環境のよいまち」「交通の利便性が高いまち」との回答が多く、いずれも全体の半数程度の人が持っているイメージです。
同調査では、さいたま市は住みやすいか?という質問に対し、86.6%の人が「住みやすい」と評価していることも分かっています。
さいたま市には、人口NO.1で観光地人気の高い大宮区、都内への交通アクセスが良く商業施設の多い浦和区などがあり、多面的に見ても住みやすい街だといえます。
看板デザインでは、人々が安心して暮らせる、治安や環境の良い街というイメージを大切にしたいですね。
さいたま市の看板デザインの傾向
さいたま市の看板デザインは、市民の方からの親しみやすさと周辺環境との調和が両立されている傾向にあります。お客さん目線に立ったシンプルで分かりやすい看板が多く、住みやすい街というイメージにピッタリだと思いました。
条例に従った落ち着いた配色が多いですが、店舗のコンセプトが明確に表現されています。商品やイベントをPRするために、画像が使用されている看板も多くみかけます。オリジナリティを活かして集客効果を行うことは、看板デザインにおいてとても重要です。
まとめ
今回は、埼玉県における看板のルールやデザインの特色と傾向を解説しました。
さいたま市の市民意識調査でも分かったように、埼玉=治安が良く住みやすい街というイメージが定着しています。商業、農業、観光、芸術、伝統文化、スポーツなど、さまざまな魅力をもつ埼玉県では、おしゃれな看板も多数見かけます。
他社・他店と差別化を図るためにも、個性的でデザイン性の高い看板を設置したいですね。
弊社・オーエスアートは、屋外広告士監修のもと、看板製作を行う看板専門店です。「環境に馴染みつつも集客力のある看板にしたい!」など、埼玉県の看板デザインにお悩みの際は弊社にご相談ください。
東京・神奈川・千葉のエリアにも対応しておりますので、看板の設置やリニューアルをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
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